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蜂谷友季子さん(木地師・漆芸家)
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PROFILE
1978年3月3日 生まれ 
山形市出身 O型 
東北芸術工科大学日本画コース卒業後、2000年から石川県挽物轆轤(ろくろ)技術研修所に入学。第49回日本伝統工芸展入選。4年間の研修を経てUターン。
問い合わせ先 023-623-1072
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いつかは海外で個展を開くのが夢。「人がしていない事をやりたいです」。
(※2007年3月10日号掲載)
温故知新を大切に、一流のものと接することを心がけています。

 椀や盆、茶筒など木を削ってつくる挽物(ひきもの)から、漆芸(しつげい)までを一人で行う、稀な作家といえる蜂谷友季子さん。女性初の入選を果たした日本伝統工芸展のエピソードや、生活スタイルについてうかがいました。
 
 小学生の頃から、OLじゃない仕事をするだろうなと、漠然と考えていました。絵を描くことが好きだったのと、両親が趣味で美術品を楽しんでいた影響もあったと思います。漆芸の世界に進もうと思い、大学はあえて工芸ではなく日本画コースを選択。技術よりも先に、構図や色彩感覚を知ることが大切だろうと思ったのと、蒔絵も日本画とデザインの世界なので。実際によかったと感じているのは日本画の基礎である、大小、濃淡といった調和の理論が、どんなジャ ンルの仕事にも応用が利くということでした。

作らない学生生活

 大学四年間は描いてばかりで
まったく作らず。学科の勉強だけで精一杯でしたし、遊ぶ時間も必要ですから(笑)。特に関東圏から来ている友だちは、自然の中に連れて行くと大喜びなので、よく近くの山へ一緒に行っては、自然の造形を観察したりして過ごしていました。

目的地点だけを見つめて

山中温泉にある『石川県立挽物轆轤(ろくろ)技術研修所』は、加賀藩の歴史が漂う日本有数の漆器の産地で、人間国宝と呼ばれる方などに囲まれて学べる場所。やっていけるのだろうか、という不安感はなかったです。むしろ大学時代に技術を覚えずに来たことで、到達点までの道のりがどれほど困難なのかピンときていなかった感じで。何かと比較するから大変だと思うのであって、まっさらな分、目指すべきレベルまで柔軟に進んでいけた気がします。とはいっても 当然簡単なことではなく・・・。先生が一分もかからない作業に、最初は一日も二日もかかる訳ですから(苦笑)。二年間の研修後、地元の職人さんのもとで経験を積みました。修行の身ですから生活費は本当にぎりぎり。電気代を節約するために一つの鍋で二品の料理を作ったり、深夜電力を利用するため夜中に家事をするとか、「趣味はドケチ」と言えるほど工夫をしていました。

伝統工芸展への挑戦

 師事していた先生に出品したいと話をしたら、やってみなさいと神代ケヤキを譲ってくださったんです。何百年も埋もれていた貴重な木です。本当にありがたいと思いましたが、本当に苦労しました。土の成分が木に浸透して石のように固いため、すぐに刃が切れなくなってしまい、こまめに研がないと仕事にならないんです。取り組んだのは茶道で使う喰籠(じきろう)という蓋物の菓子器。途中で高さを調整しなければならない事態が発生して。出品にむけて他の仕事を免除してもらっていましたから、今さら辞めるとはとてもいえない。先生に相談する状況ではなく、わずか三ミリのことでしたが、三日間悩み苦しみました。なんとかバランスを取る方法を見いだして完成したんです。

環境を意識して

 普段は身体の外からも口からも、化学物質などをできるだけ入れないようにしています。合成シャンプーを使わないとか、インスタント食品を食べないなど。母が手料理で育ててくれましたから、安全な食の味をおいしいと感じられるんだと思います。心がけているのは、歩くことと、天気がよければ出来るだけ自転車で行動することなどです。山形の自然が好きなので、ここを拠点に活動していくつも りです。
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1.骨董市で偶然見つけた昔の平清水焼き。 2.趣味は骨董品をみることなど。京都旅行をしたときに一目惚れし、「さんざん悩んで買った」コウモリが描かれた掛け軸。 3.伝統工芸展に出品したものと同じ作品「神代欅造喰籠(じんだいけやきづくりじきろう)」。蓋のゆるやかなラインが特徴です。 4.木片が顔に飛んでくることもあり、木地挽きは危険な作業でもあるそう。 5.蜂谷さんの作品「銀朱大鉢」。 6.木地挽きから塗り、デザインすべて一人で手がけています。
ARCHIVE
海和瑞穂さん(パティシエ)
吉澤市子さん(美容師/学生支援(ボランティア))
高橋博美さん(スノーボーダー)
鈴木美智さん(ガラス作家)
井上優子さん(シンガー)
二藤部真澄さん・河合麻衣さん(特定非営利活動法人 環境ネットやまがた)
松村昌子さん((株) エム企画専務取締役)
きくちいまさん(きものエッセイスト)
岡部陽子さん(書家)
志賀真希子さん((株) 清川屋 ネットサテライト室配属ゼネラルマネージャー)
兼子京子さん(山形心体表現の会代表)
蜂谷友季子さん(木地師・漆芸家)
二戸敦子さん(声楽家)
海谷美樹さん(AISOHO企業組合 専務理事)
高橋ミラさん(写真クリエイター)
田宮美由貴さん(寒河江神輿会 広報委員会委員長)
伊藤啓子さん(詩人)
鈴木圭子さん(JICA山形デスク 国際協力推進員)
井上聡子さん(さとこ女性クリニック 院長)
小嶋麻央さん(小嶋商事株式会社勤務)
鈴木ゆかりさん(「きものアトリエのあ」主宰、「きもの大好き会 和組」代表)
小野寺南波子さん(『骨髄バンクを支援するやまがたの会』会長)
小野のぞみさん(ハンドメイド小物作家&エステシャン)
武田節子さん(平安グループ ブライダル事業担当 専務取締役)
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