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伊藤啓子さん(詩人)
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PROFILE
1956年10月17日、鶴岡市生まれ。O型
短大卒業後、編集社に約8年間勤務。退職後、詩作を始める。家族は父と看護士になった娘さん。2001年第9回詩と思想新人賞受賞。日本現代詩人会会員。
□問い合わせ/
http://www.web-yamagata.net/itokeiko/
E-mail itokeiko@web-yamagata.net
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「何気なく使っている言葉なのに、あなたの詩は、どうしてこんなに新鮮なんだろう」。そんな感想をいただいた時はうれしかったですね。(←写真)
(※2006年8月号掲載)
詩は手のひらサイズの短編小説のようなもの。
短くて深くて。

 物語性を楽しむのが小説なら、言葉に込められた思いを味わうのが詩でしょうか。今回は、小説のような詩を、描くように綴る伊藤啓子さんのインタビューです。
 
転勤族の娘

 小、中学生の頃、女の子ってみんな一度は詩を書いたもの。没頭するほどではありませんが、自分の詩集を作ってみたり、そんな思い出がありますね。父が転勤族でしたから、米沢、秋田、新潟など、いろんな土地で生活をしながら、読書家の母の影響で本を読みふける、そんな少女時代でした。

三十代で介護を

 大人になり活字の世界で働きたくて、業界紙を発行する会社に勤めました。でも新聞記事を書くだけでは燃焼しきれない感覚があって。短大時代、恩師に「あなたは詩作に向いている」と言われたことが胸に残っていて、娘が小学校に上がったら文学をやろうと思っていました。ところが、実母が若年性のアルツハイマーになり、会社を辞めて介護をすることになったんです。真冬の夜に徘徊する母の後をついて歩いたり、ほとんど一日中付きっきり。多発性脳梗塞とパーキンソ病を併発してからは、寝たきりの生活になりました。他界するまでの約十年間、介護を通して多くを経験したと思います。父も生活面で自立した人なので、母のおむつ換えなどすぐに覚え、積極的にかかわってくれました。
 
詩人の世界へ

 私が介護を始めたのが三十二歳。同世代で悩みを分かち合う友だちもいませんし、時間を見つけて詩作を始めたんです。初めは日々のことがテーマでしたが、ストレスの解消にはならなくて。非日常を書くようになりました。雑誌に投稿を始め、最初の頃は作品が載っていると、娘と一緒に「きゃー載ったぁ」などとはしゃいだりして。それから半年ほどで原稿の依頼が来るようになり、詩集を出版するお話をいただいたんです。私の作風は小説っぽいと言われます。それと食べるシーンが多いと(笑)。書いているときは、のめり込むというより、誰かが後ろで点検している感覚かな。一気に浮かぶときもあれば、締め切りが迫っているのに悩んで悩んで書くことも。私にとっての詩は、一生たどり着けない想い人のようなものですね。


|詩集萌野より|

「馬肉」

蕎麦屋の庭先 
クジャク草がなびいている 
(夜は小料理屋) 
夜のメニューがぺたぺた貼ってある

昼から馬刺しを食う男である
食べる?と皿を指差しながら 
女は食わないだろうと思う男である 
男が食べるものは 
じぶんも食ってみたい女である 
ひらひら肉をつまんで 
夏に乗った馬をおもう女である 
旨い?と訊いてくる 
女に名づけさせたがる男である 
肉を噛みながら 
馬の背の固さをおもう女である

店を出るとき 
男が花を見て 
「蕎麦屋に似合う花だね」と言った 
そうね、とうなずき 
花の名を教えようとして 
女はやめた 
蕎麦の涼しさと 
馬の体温が混じらないのである
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2.伊藤さんの本。詩集『ウコギの家』(夢人館刊)・『夢のひと』(視点社刊)・エッセイ『風がふいたら・・・』(みちのく書房刊)。ほか共著の「ポエム・セッション」(紙草舎)があります。 3.詩作はいつもわら半紙。ノートは罫線がじゃまになって書けないんです」。パソコンは一気に浮かんだ時や入稿の際に使用。4.季刊で発行している個人通信『萌』。できたばかりの最新号。5.ちゃんと読みたい本はハードカバーで購入。先日他界された久世光彦氏の本は「一気に読んだらもったいなくて」とまだ開いていない本もあるそう。6.健康法は15年続けているエアロビクスと40分の半身浴。3日に1度のゴーヤ料理。
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海和瑞穂さん(パティシエ)
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伊藤啓子さん(詩人)
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武田節子さん(平安グループ ブライダル事業担当 専務取締役)
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