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小野寺南波子さん(『骨髄バンクを支援するやまがたの会』会長)
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PROFILE
1975年8月4日 岩手県生まれ。0型
23歳で結婚しご主人と食堂を経営。3男の守さんが14歳で急性白血病を発症し17歳と40日で夭逝。『めんどりの会(子どもや肉親などを亡くした人の集い)』『骨髄バンクを支援するやまがたの会』などを発足。
□問い合わせ 023-632-7016(小野寺さん宅)
http://www13.plala.or.jp/yamagata-no-kai/
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(※2006年3月号掲載)
同じ境遇にいる方々と交流することで、
哀しみの中から抜け出せるようになったと思います。

 血液の難病といわれる白血病。骨髄内や体内を流れている血液中に、異常な白血球が増加する病気です。治療の方法は抗がん剤を使った化学療法や骨髄の移植など。今回は白血病で息子さんを失い、『骨髄バンクを支援するやまがたの会』の会長を務めている、小野寺南波子さんのインタビューです。

風邪と思っていた半年間

 三男のマモ(守さんの愛称)が不調を言い出したは中学二年生の三学期でした。個人医院へ行くたびに風邪と診断され、処方薬で調子が戻るので、なんの疑いも持たなかったんです。そして中学三年生の五月の連休前、具合が悪化して山形の病院で検査を受けたところ、緊急で仙台の大きな病院へ転院となり、「あと十日間がやまです」と言われました。治療のおかげで危機は脱しましたが、残された寿命は約二年半でした。

病室をギヤラリーに

 十四歳から十七歳という多感な時期に、個室の中で苦痛を伴う治療も受けたマモが、心の励みにしていたのが言葉を書くことでした。初めは室内に貼っていたのですが、先生や看護婦さんに褒めていただいたのが嬉しかったのでしょう。毎日のように個室のドアに貼りだし、し、感想を入れてもらう箱を設置しました。けっして前向きなものだけではありません。十代の真ん中で病気と闘う、等身大のマモの思いが綴られていると思います。

天国の住所を思いながら

 私が付き添いに専念するため、夫は食堂を閉め、とび職をしていた上の息子たちと一緒に仕事をはじめたんです。それまで包丁しかもったことがなく、しかも高所恐怖症でしたから苦労もあったと思います。マモを看取った時期、夫と息子は福島で仕事をしていました。私は誰とも会いたくなく、一歩も外へ出ずにいましたから、週末に帰って来る夫が、一週間分の食べ物で冷蔵庫をいっぱいにして仕事へ戻る生活でした。

夫の大動脈瘤が

 夫も山形の仕事が見つかり、いくらか安定した生活が戻ってきた頃、慣れない仕事をしたためか夫の大動脈瘤が破裂したのです。病院に運ばれたのは土曜日の夜。輸血用の血液がたりないと言われ、知る限りの方に連絡をしました。以前マモのことで取材をされたテレビ局の方にもすがる思いで電話をしたら、「いま野球場で試合をしているから」と場内アナウンスをしてくださったんです。三十五人もの方々が駆けつけてくださり、主人は命をつなぐことができました。山形の方々の心根の深さにとても感謝しています。

ドナー登録への願い

 マモが他界してすぐの頃、ある方に「今しか書けないものがあるから」と執筆をすすめられたのが出版のきっかけです。日付を記すだけでもその日のことが思い出され、一行も書けないこともありました。私は子どもたちが小さい頃、教育熱心なところがあったのですが、それは子どもが健康だから言える親のわがままなんですよね。日本では毎年約六千人、山形では約六十五名の方がマモと同じような苦しみを経験しています。骨髄提供者を待っている患者さんは三千人以上です。どうか多くの方にご協力をお願いしたいです。

○取材をおえて
三十五日の法要の夜、大量の睡眠薬を飲んだという小野寺さんに「大丈夫だから心配しねぇで」というマモさんの声が聞こえたそうです。小野寺さんの家族が命をけずって過ごした日々を、ぜひ本を通して知ってもらえればと思います。
(浅倉)
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1.各地からの講演依頼を受けることも。「最初の頃は自分が泣いてしまうこともありました」。2.病気の仲間を救うためにと、若いメンバーが行ったキャンペーン。3.昨年の9月、高校生のチアリーディングがオープニングを飾った『骨髄バンクを支援するやまがたの会』10周年記念イベント。毎月第4土曜日は山形市のジャスコ南店でドナー登録会を開催しています。4.マークの使用許可も小野寺さん自らが交渉したという『骨髄バンクを支援するやまがたの会』のスタッフジャンバー。5.会の活動費になるようにと、手作りの小物を販売してくれる方もいるそう。
ARCHIVE
海和瑞穂さん(パティシエ)
吉澤市子さん(美容師/学生支援(ボランティア))
高橋博美さん(スノーボーダー)
鈴木美智さん(ガラス作家)
井上優子さん(シンガー)
二藤部真澄さん・河合麻衣さん(特定非営利活動法人 環境ネットやまがた)
松村昌子さん((株) エム企画専務取締役)
きくちいまさん(きものエッセイスト)
岡部陽子さん(書家)
志賀真希子さん((株) 清川屋 ネットサテライト室配属ゼネラルマネージャー)
兼子京子さん(山形心体表現の会代表)
蜂谷友季子さん(木地師・漆芸家)
二戸敦子さん(声楽家)
海谷美樹さん(AISOHO企業組合 専務理事)
高橋ミラさん(写真クリエイター)
田宮美由貴さん(寒河江神輿会 広報委員会委員長)
伊藤啓子さん(詩人)
鈴木圭子さん(JICA山形デスク 国際協力推進員)
井上聡子さん(さとこ女性クリニック 院長)
小嶋麻央さん(小嶋商事株式会社勤務)
鈴木ゆかりさん(「きものアトリエのあ」主宰、「きもの大好き会 和組」代表)
小野寺南波子さん(『骨髄バンクを支援するやまがたの会』会長)
小野のぞみさん(ハンドメイド小物作家&エステシャン)
武田節子さん(平安グループ ブライダル事業担当 専務取締役)
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