1958年7月生まれ 山形市出身 短大英文科を卒業後、2社の旅行代理店に勤務。29歳で結婚退社し、下の子供が小学生になった時に再就職活動を開始。医療関係の仕事を経て、観光ボランティアを立ち上げるアドバイザーや観光情報発信の機関等で働き、平成14年に『NPO法人山形創造NPO支援ネットワーク』で、「国民文化祭やまがた2003」の県主催事業、ボランティアコーディネートプロジェクトのチーフコーディネーターを務める。現在は その時のボランティアさんと共に、山形のイベントを盛り上げる市民団体『山形応援団 山形もてなし隊』の代表として活動中。問い合わせ先:023-647-0675(県NPO支援センター内)
主婦業との両立
 ようやく観光関係の仕事に就き、身につけた英語や手話を活かすこともできたが、帰宅時間が遅く、日曜日が出勤の時もあった。 「主婦が働くのは難しいなぁって、つくづく感じましたね。子供の学校行事に一時間のお昼休みを利用して参加したり、家族で恒例にしているキャンプに私だけ遅れて到着したり、キャンプ場から出勤したことあったんですよ(苦笑)」。 責任を持って仕事を果たそうすると、家庭との両立が難しくなってしまう。ご自宅での取材中、隣にいらしたご主人に、夫婦喧嘩はなかったですか?と聞いてみた。 「ありましたよ。でもね、いい点もたくさんあった。私も子供たちも、家の中のことを協力してやるようになりましたから」。 ご主人だって、本当はとても大変だったはずだ。けれど家族が助け合う大切さを見いだせたと、笑顔で答えてくださる広さに、こちらまで救われた思いがした。
行動派で努力型
 そして国民文化祭開幕の半年前、長年のキャリアが評価され、サポーターズ事務局のチーフコーディネーターに着任。募集人数は四○○名。各種メディアを使って一般公募し、その後企業・団体に出向いて社内からの出向を依頼したり、情報レポーターやキャラバン隊などの企画部門を自主的に作って、地域のイベントでアピールするなど、スタッフと共に駆け回った。そうして予定よりはるかに多いメンバーが集結したのだ。本番を迎えるまで間、仕事内容の確認、スタッフへのシフトの振り分けと資料の発送作業、多忙ぶりは想像を超えるものがある。いつのまにか事務局を助けようというサポーターチームまで出来た。
最上川のように
 女性が働く辛さや葛藤も知っているからこそ、原田さんはスタッフを尊重し、感謝し、また多くの人が原田さんを信頼して仕事をすることができたのだろう。「あの時かかわった全員の力によって、まさしく国民文化祭やまがた2003のテーマ『水』のように、大河になって本番の海へと流れ込んでいきました。イベントは若さだけではなく、人生経験の豊富さが役に立ちます。旅人への温かいもてなしは、旅人が自分の故郷に戻るかのように、再び山形を訪れてくれることでしょう」。国民文化祭で知り合った仲間と山形を元気に応援するイベントボランティアグループも結成。これからは、山形を世界に向けて発信していきたいそうだ。
 
 
雨粒が小川になって、大河になる。20代、30代の経験にも通じることですね。
 昨年の十月に開催された国民文化祭。毎年各県をまわる大イベントで、次回山形で行われるとしたら九○年後とも言われているから、関わったほとんどの人が一生に一度の思い出になったはず。この期間、原田陽子さんはスタッフと共に四○○名のボランティアさんを手探りで募集することから始め、結果は延べ五五○名を取りまとめて大成功を収めた。そこにはどういう手法があったのか、どんなことが必要だったのかをうかがった。
社会経験は土台づくり
 原田さんの経歴をひもとくと伏線がいくつかあって、最初に就職した旅行代理店時代、東京の航空会社で研修を受け、お客様への対応の仕方、クレーム処理などをきっちり学んでいる。その後別会社でハネムーンの相談や営業、添乗員を経験し、 「新婚旅行は一生に一度と思うと、ついつい一組のお客様にかかる時間が長くなってしまって。上司に注意されたこともありましたっけ」 と、熱中しやすい性格をのぞかせる。結婚退職し子育てをしながら、手話の勉強をし、今後の就職に役立つようにと医療事務の免許を取得。春から年末の契約で健診センターに就職するも、翌春は業務縮小のため採用ならず。外資系の製薬会社に採用され、英文のタイピングで書類を作成する仕事を担当するが、急きょプロジェクトが中止となり解散。さまざまな募集などに応募するが年齢が壁になり、経験値があっても社会参加ができない辛さも体験する。
▲次期開催県の福岡を応援する企画も立て、高橋県知事や作家の井上ひさし氏が飛び入り参加するほど盛り上がったそう。写真提供(特活)山形創造NPO支援ネットワーク(右)仕事と家庭の両立で悩んだ時に手にした本。これを読んで、前に進めたとか。

01.国民文化祭の100日前イベントでの記念写真。お揃いのTシャツも作って結束を深めた。写真提供(特活)山形創造NPO支援ネットワーク
02.国民文化祭終了後に制作した記録集。
03.窓際には家族の写真がたくさん。「子供たちに伝えているのは、分かち合う、協力し合う気持ちです」。
 
 
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