1968.7.7生まれ。山形市出身。5年前にUターンして『居酒家 浅葱』をオープン。
■ 居酒家 浅葱
山形市東原町1-1-34 電話 023-624-3055 ランチ11:30〜13:30 居酒屋18:00〜 23:00  日・月(祝のみ)定休
居酒屋開業
 生まれ育った場所とはいえ、何年も離れていた地元の現状は分からない。不動産からファクスで物件を送ってもらうことから始め、厨房設備、内装、食材や酒類の仕入れ先など、人づてに発注先を紹介してもらいながら準備を進めた。「思い立ってから、約三ヶ月後の十二月にオープンしました」。 たった三ヶ月とは、かなりの行動力!積極的な性格ですね? 「ううん、内装が完成した日、店の前まで来たら、身体が震えて車から降りることができなかったんですよ。でも、一度決めたら迷わない性格かな」。ところが、繁盛とはとてもいえない現実が待っていた。「甘かったです。店を開けば、お客さんは来るものだと思っていたんですが、来店ゼロの日もざらにあるんですから。雇っていたアルバイトの子はカウンターにつっぷして寝てしまうし(苦笑)」。資金は開店準備ですべて使い果たしていた。三ヶ月経ち、もう限界と感じた頃、周囲のすすめでランチを始めてみることに。
メニューの改良
 お昼も開けると、近くの学生やビジネスマンが来店するようになり、少しずつ常連さんが増えていったとか。 「繁華街とは違う店づくりも大切ですね。夜のメニューで、最初は甘辛いタレをつけて食べるアジアン風の唐揚げを作っていたりしたんですが、お客様の口に合うものを作っていくうちに、家庭的な味に落ちつきました。唐揚げはうちの店で一番人気があるんですよ」。たしかに店名の冠も「居酒屋」ではなく「居酒家」だものね。
自分の居場所
  今ではお客さんと一緒にイベントを企画して楽しんだり、旅行や釣りに出かけたりするほど親しい仲間や彼氏もできた。「料理が好きな人なので、会社から帰ると店を手伝ってくれたりして頼れる存在です。大学前の店だから、卒業と同時に旅立っていく仲間を見送る寂しさもあれば、新しい顔ぶれを迎える楽しみもあって。毎日が新鮮だし、今は精神的に安定しています」。美由紀さんが感じる山形の良さは、短い時間で仲良くなれて、長く付き合える人が多いこと。「帰ってきて良かったなって思います」と話してくれた。
 
 
お客さんのおかげで、自分の世界が広がりました。今は毎日が楽しいなって思えます。
 山形大学の近くにある『浅葱(ASAGI)』は、五人でいっぱいになるカウンターの他にテーブル席が二つ。喫茶店でもなければ、定食屋でもなく、家庭的なお総菜などが中心の居酒屋だ。女性が営むお店としては、ちょっとめずらしい形かなと、今回取材を申し込んだ。美由紀さんは、 「私の話なんて、おもしろいですかね〜」と、とまどいながら開業までのいきさつを話してくれた。
二十九歳の決心
 「中学までは山形で過ごしたんですが、高校は仙台の学校へ入学しました。両親の離婚がきっかけだったんですけど、あの頃って同じ境遇の友だちがいて励ましあえるような時代でもなく、環境を変えたかったんです」。二十代前半に結婚と離婚を経験し、二十五歳の時に姉を頼って東京へ。もともと料理が好きだったそうで、飲食店勤務やOL経験などもしながら、「いずれ自分の店を持てたら」と調理師の免許を取り、居酒屋でアルバイトをすることにした。 「でもね、免許を持っていることを店長に言えなかったです。即戦力になる自信がなかったから」。遠慮深さを持つ性格の一面もうかがえる。客席数が多い店の厨房では、野菜を切ることや盛りつけもスピードが肝心だ。忙しく働きながらプロの仕事を覚え、「やっぱり、私がやりたいことはこれ。山形でお店を開こう」と決心したそうだ。
▲お店のお客さんとは、時々旅行にでかけたりすることも。

01.ランチはボリュームが多いって言われるんですけど、「足りないと思われるのが嫌で、つい大盛りになってしまうんです。常連さんは、あらかじめご飯は少な目でって言いますね(笑)」。
02.ランチは日替わりと週替わりの2種類(コーヒー付・650円〜700円)。この日はチキンカツでした。
03.店名のロゴは、友だちがデザインしてくれたそう。  
 
 
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